県博公開研究会の報告(3.26)
3月26日(土)、市立図書館2階の多目的研修室を会場に、鳥取県立博物館公開研究会「県民と学ぶ最新の鳥取藩研究Ⅳ」が開催されました。この公開研究会は、県立博物館としては初めて館外での研究会で、市立図書館共催事業として開催されました。
研究会は2本の研究報告があり、その発表に対して8人の研究委員が質疑応答する、という形式で進められました。最初の報告は、米子高専・金澤雄記先生の「米子城と鳥取城の御殿比較」でした。金澤先生は、これまでの天守閣を中心としたお話ではなく、城主の生活空間としての御殿を、建築史の立場から語られました。現存する数少ない例を参考にして作られた米子城二ノ丸御殿のCGは、迫力満点の説得的なものでした。
2本目の発表は都市史研究家の金行信輔さんの「鳥取藩の江戸屋敷」でした。金行さんは、全国的にも例外的に数の多い鳥取藩の屋敷絵図の特徴を概説しながら、数の割には書かれた年代の明らかなものが少ないことが最大の特徴だと指摘されました。池田家系図や藩史と重ねながらの絵図の判定は、推理小説を読む楽しさも感じさせるものでした。
それぞれの報告の後には、池内敏(名古屋大教授)、岩淵令治(学習院女子大教授)、斎藤夏来(岡山大准教授)、笹部昌利(京都産業大助教)、伊藤泰晴(都市史研究家)、岸本覚(鳥取大学教授)、坂本敬司(元県史編さん室長)などの、第一線の研究者の討議質問を聞くことができました。専門的ではありますが、最新の研究成果を聴くことができる、公開研究会となりました。
60名の盛会となりました。