佐古和枝先生記念講演の報告(9.19)
9月19日(土)、米子市立図書館2階多目的研修室を会場に、新米子市誕生10周年記念講演会が開催されました。講師は考古学者の佐古和枝先生。演題は「妻木晩田遺跡の魅力と意義」。佐古先生は8月3日、文化ホールで米子人生大学公開講座として「弥生人からの伝言」についてお話されており、今日の記念講演は8月に続く連続講演となりました。
佐古先生は初めに弥生時代の前・中・後期の特質について丁寧に解説され、その中で山陰弥生遺跡の特長と意義について詳述されました。
さらに、妻木晩田遺跡の学術的価値がいかに重要なものか、他の遺跡と比較しながらくわしく語られました。「わが国で、これほど良好な状態で遺存している大規模な弥生遺跡は、いままでもなかったし、これからも期待できない」という保存決定時の文化庁担当官の話も披露されました。
最後に、妻木晩田遺跡応援団のお一人である永六輔さんの「吉野ケ里、三内丸山、妻木晩田遺跡が日本の三大遺跡である」という言葉を紹介されました。そして、遺跡とは、学術的価値だけではなく、自然と人間の根本的なこと、戦争と平和、命の大切さ、モノ造りの技術と知恵等、さまざまな学びの広場でもあるのだ、という印象的な言葉で講演を締めくくられました。
市立図書館では、2階の市民ギャラリーで、9月29日(火)まで、むきばんだ史跡公園写真パネルの展示と、佐古先生のご著作や関連図書の展示をしています(貸出可)。