公文書館巡回講座の報告(9.14)

9月12日(木)・13日(金)の2日間、市立図書館2階の多目的研修室において、H25年度鳥取県立公文書館巡回講座が開催されました。この度の講座は、米子市立図書館の共催、伯耆文化研究会、伯耆国たたら顕彰会の後援という形で実施されました。

  公文書館1  公文書館2

 初日12日の木曜日は、始めに公文書館・伊藤康さんによる「米子と隠岐-関義臣の県庁移転構想-」でした。伊藤さんは隠岐の島での調査や関義臣の履歴をたどりながら、関が鳥取県政において果たした役割や島根県への併合の経緯について説明されました。
 2番目には(有)地域未来のすぎはらみきおさんが「歴史文化のまちづくり」と題して講演されました。郷土史研究の発表の場としては異例の後援となりましたが、すぎはらさんが積極的に進められている、たたら顕彰活動の話など、参集者にも興味深いお話となりました。

  公文書館3  公文書館4

 2日目の13日は、先ず公文書館・池本美緒さんによる「神社絵図を読む-明治初期の県西部の神社-」の発表がありました。池本さんは、実際の絵図を映しながら、明治初期に神社絵図が次々に書かれた背景、歴史的意義などについて推論を披露されました。
 最後の発表者となった島根大学教授の竹永三男先生は、全国の公文書館を利用した経験をもとに公文書館の仕組みや役割について簡潔に紹介され、とくに「県庁文書」の特性について詳述されました。ある地方の情報が、知事の転勤の転勤に伴い遠隔地の公文書館に所蔵されていたり、中央の情報が地方の公文書館資料でのみ確認できたりと、研究者ならではの挿話は大変興味深いものでした。
伯耆文化研究会理事の皆さんから質問が相次ぐなど、盛会の2日間となりました。

参加 12・13日とも55人。