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7月例会報告 伯耆文化研究会   2024/07/24

伯耆文化研究会7月例会を開催しました【報告】

7月13日(土)、米子市立図書館の多目的研修室において、伯耆文化研究会の7月例会が開催されました。根平雄一郎氏(本会会長)の「まぼろしの夜見ヶ浜人」発見報告。そして大原圭太郎氏(島根大学大学院自然科学研究科)の「文化財と3D技術〜デジタルアーカイブから航空レーザー計測による古墳調査まで〜」の2本でした。

 

1,「まぼろしの夜見ヶ浜人」は、本会3月例会で、人骨化石追跡の支援要請を本会会員にしたばかりでしたが、早くも早稲田大学から『見つかった』という連絡があり、上京して確認されたので、その報告がありました。

「夜見ヶ浜人」とは、1969年12月、境港市外江町の工事現場で、錦織文英氏が発見した人骨化石。翌年、早稲田大学の直良信夫教授の鑑定により、後期旧石器時代(2~5万年前)45歳前後の女性の左下顎骨で、「夜見ヶ浜人」と命名。教授が退官後、早大に寄贈され、東大に再鑑定に出されてから、行方不明となっていたものです。

発見された人骨化石は、今後、東大総合研究博物館の海部陽介教授のもとで、年代測定やDNA鑑定が実施される予定で、その結果が注目されています。

 

2,「文化財と3D技術」については、以前、水中ドローンを使って美保関沖事件(昭和2年)で沈んだ大日本帝国海軍の駆逐艦「ワラビ」を発見し、その映像を公開。さらに3Dで再現するなど、一躍注目を浴びた島根大学の大原圭太郎氏による3次元計測技術を使った文化財保護についての具体的な活用の紹介でした。その内容としては、破損、消失した文化財の修理や復元、博物館による3Dモデルの公開(デジタルミュージアム)、航空レーザー計測による古墳調査、遺跡の発見例などです。

現在、これらの三次元(3D)技術の発展、普及により文化財の保護や展示の仕方、考古学調査の仕方も大きく変わりつつあります。

今後、これら最先端技術を文化財の保護活動や考古学調査などに積極的に活用することにより、これまで以上に多くの情報を後世に伝えることが可能となり、また博物館などの展示方法もさらに魅力的なものになっていくものと期待されます。