9月9日(土)、米子市立図書館の多目的研修室において、伯耆文化研究会の9月例会を開催しました。
今回のテーマは「米子の考古学」です。発掘調査に関わった京嶋覚氏(日本考古学協会会員、元立命館大学非常勤講師)が、「博労町遺跡の発掘成果〜弓ヶ浜半島における人々の営み」と題して、遺跡の発掘からわかったことを報告しました。
博労町遺跡は、弓ヶ浜半島の基部に位置する、縄文時代晩期から江戸時代の遺跡です。縄文時代晩期までに砂州が形成され、それ以降に土壌が積み重なり、様々な人間活動の跡として、条里制や井戸など沢山の遺構や遺物が発掘されました。
その中でも9世紀末にあったという出雲地震による液状化現象の痕跡が発見されたという報告は、とても注目されました。
大山北西麓の米子周辺における地域社会の形成史は、まだ十分に解明されていないので、今回の発掘成果は重要な役割を果たす資料となるとまとめられました。