7月8日(土)、米子市立図書館の多目的研修室において、伯耆文化研究会の7月例会を開催しました。
今回は、「インターネットを活用した地域研究」をテーマとして、二つの報告が行われました。
一つ目は、鳥取県立博物館の来見田博基さんによる「藩政史料『家老日記』データベースを活用した地域研究」という報告です。膨大な量の『家老日記』が、古文書解読ボランティアの有志によって解読、入力活字化されたこと、またそのテキストデータを「鳥取デジタルコレクション」で公開したことによって、多くの研究に利用され、高い評価を得ていることが報告されました。続いて、実例によるデータベースの利用法の解説が行われました。ただし、どの文字で検索するかによって、結果に違いが出ます。例えば江戸時代に存在しない地名で検索しても、何もヒットしません。どのような文字で検索をかけるのかが、課題になるということでした。
二つめは、本会会長の根平雄一郎さんによる「生成AI(人工知能)の積極的活用」という報告です。
はじめに「生成AI(人工知能)」について、AIとは何か、またその問題点などについて簡単な報告がありました。続いて、地域研究での活用実例がいくつか紹介されました。①「角磐山大山寺を開基した金蓮上人」、ChatGPTではまったく間違った結果が出る。Bardでは三案目に正しい結果が示された。②「陸軍徴用船「玉栄丸」の爆発事故」、Bardにより、出典つきでかなり正しい結果を示した。③「幻の「夜見ヶ浜人」、ChatGPTでもほぼ正しい結果が示されました。以上のような活用結果から、今はまだ間違った結果を示すことが多いことが分かりました。しかし根平さんは、まだ学習が不足していて、課題が多いけれど、メリットも多い、積極的に活用して、最終的な判断はあくまでも人間が行うべきだと、報告をしめくくられていました。