9月12日(土)、米子市立図書館の多目的研修室において、伯耆文化研究会の9月例会が開催され、本会理事による二本の発表がありました。一本目の発表は、大原歳之さん。広島大学図書館デジタル・アーカイブから新たに発見した「大山縁起」についてです。同大学図書館では、長らく「おおやま」と扱っており、伯耆大山の「だいせん」史料とは気付かなかったようです。この新発見史料は、天明5年(1785)、和装綴じの写本で、「大山寺縁起」が鎌倉時代末までに対して、室町から江戸時代中頃までの内容が加筆されているものです。同氏は両資料を比較研究して、特に広島地方の大山信仰と江戸時代中期までの大山寺の出来事について解説しました。そして最後には、郷土の歴史や文化、地域の物語を次世代に伝承していく大切さを訴えました。

二本目は、和田嘉宥さん(国立米子高専名誉教授)が「山陰の茶室考」と題して、不昧公の茶室とその周辺について解説しました。山陰の茶の湯文化は江戸時代の大名・松平不昧公によって育まれてきました。彼により息づいてきた茶の湯を「不昧の茶室」と「山陰の茶室」として、写真と平面図で通覧しました。
特に「松平不昧傳」に見る「好みの茶室」として、「明々庵」、「菅田庵」、「不審庵」、「八つ窓の茶室」(伝利休茶室)、「観月庵」等の紹介があり、目を見張るものがありました。
山陰両県には松江市を中心に、今でも多数の名茶室が存在しており、解説を耳にすると、改めて松平不昧公の影響の大きさに驚かされます。今回の発表には、普段見かけない女性参加者の姿が多く見られました。