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お知らせ

医学図書館共催講演会報告   2025/12/18

令和7年度 鳥取大学医学図書館・米子市立図書館共催講演会「お口と健康」開催しました【報告】

2025年12月6日(土)に、鳥取大学医学図書館・米子市立図書館共催講演会を開催しました。

「お口と健康」と題して、鳥取大学医学部感覚運動医学講座 口腔顎顔面外科学分野教授 小谷勇先生にご講演いただきました。

 

 

お口の健康状態が栄養の偏りから認知症、脳血管障害、心疾患、転倒、肺炎、糖尿病など様々なかたちで、身体に影響を与えていると知ることが出来ました。

また、咀嚼能力は生存率と密接な関係があり、歯が19本以下の人は要介護認定を受ける割合が1.2倍に上昇し、歯を失い義歯を使用していないと認知症発症リスクが1.9倍ということです。また、交合支持(かみ合わせ)がない人は、転倒リスクが高く天然歯で噛んでいる人の3.65倍、義歯を使っている人の3.73倍となります。

歯周病は歯を喪失する原因のトップであり、日本人成人の約7~8割が、り患しています。歯周病になると歯周病細菌や炎症性物質により動脈硬化が生じます。手入れを怠り、汚れた口の中は唾液1gの中に1億個の細菌が存在します。その唾液を誤嚥すると肺の中で増殖し肺炎を起こします。さらに歯周病の歯周ポケットの菌はインスリンを抑え、血糖が下がらず高血糖を引き起こします。糖尿病になると免疫が下がりますので、さらに歯周病細菌増えるという悪循環となります。

このように、お口の中の状態は驚くほど全身に関りがあります。

しかし、健康寿命を伸ばすために自分でも取り組めることが3点あります。①むし歯・歯周病の予防(正しい歯磨き・定期的な歯科受診)②義歯を使う③唇・舌の動きを良くする。

ひとつひとつ大変わかりやすくお話しいただき、参加者のみなさまから口腔ケアの重要性がよくわかった、今日から取り組んでみたいというお声をたくさんいただきました。

お忙しい中ご講演をいただいた、小谷勇先生、参加された皆さまありがとうございました。