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9月例会 伯耆文化研究会 報告   2025/09/17

伯耆文化研究会9月例会開催しました【報告】

9月13日(土)、米子市立図書館の多目的研修室において、伯耆文化研究会の9月例会が開催されました。

最初の発表は、若山俊介氏(元大山町文化財調査員)による「大山寺縁起が語るもの~理想の教祖、『金蓮』~」でした。開山1300年を超えた大山寺。「金蓮」上人がいかに開祖として崇められるようになったのか、「大山寺縁起ノ巻」の三所権現湧出の場面と、出雲国玉造の「依道」が地蔵菩薩に出会い信心を起こす場面を取り上げ、大山信仰における密教と地蔵信仰の位置づけについての解説がありました。また、天台密教の名僧「基好」の紹介や、「金蓮」の名は天台宗における「円密一致」の思想が由来ではないかという考察を発表されました。

次の発表は、大原歳之氏(本会理事)による「もう一つの大山縁起~家康へ送られた豪円僧正の書状を読む~」でした。大山寺法雲院由来の豪円僧正の書状(米子市立山陰歴史観蔵)を詳しく紹介し、関ケ原前後の大山寺の置かれた状況や当時の人々の語る「大山開山の由来」について解説されました。また、「民俗の宗教化」「宗教の民俗化」という言葉で、神仏融合のみならず、出雲神話をはじめ、地域の土着の信仰すべてを包括しているのが「大山信仰」であり、地域のシンボルである「大山信仰」を、もっと幅広い視点から見るべきであるという意見を述べられました。