今年度総会は、根平会長、永瀬図書館長の挨拶の後、島根県雲南市教育委員会の角田徳幸文化財課長(専門は考古学)を講師にお招きして「日野郡のたたら製鉄研究最前線」と題した記念講演を行いました。
伯耆文化研究会でも、これまで影山猛先生などが根雨近藤家のたたら操業など日野の鉄生産を研究してこられましたが、近年は考古学的な発掘調査が行われ、それに伴いたたら製鉄の歴史が見直されています。講演では発掘調査が進んだ中世の製鉄遺跡、『鉄山秘書』を著した下原重仲像の見直し、明治時代の冶金学者・俵國一が記録を残した都合山鈩・砥波鈩の高殿たたらなどを詳細に解説されるとともに、知られざる角炉開発者木原小一郎(日南町出身)の紹介などもあり、まさにたたら製鉄研究に関する最先端をいく刺激的で面白い話を聞くことができました。参集した会員及び会員以外の参加者にとっても満足度の高い講演でありました。
その後の議事では、令和6年度の事業報告と収支決算、会計監査報告があり、承認されました。さらに令和7年度の事業計画並びに収支予算について承認されました。また、役員改選では、現在の役員が今後2年間継続することと、新たな監事として上田京子氏が承認されました。一部会則の文言変更も承認され、総会は無事終了しました。
なお、A4版横書きに体裁変更し、論考9篇と創刊号から第25号までの総目次を収めた新装研究誌『伯耆文化研究』第26号が出席した会員に配布されました。当日欠席の会員には事務局から後日発送されますのでお待ちください。