12/07(土)の開館時間 10:00~18:00

お知らせ

伯耆文化研究会 報告   2019/11/20

伯耆文化研究会11月例会報告

119日(土)、米子市立図書館の多目的研修室において、伯耆文化研究会の11月例会が開催されました。

 

まず、初めに境港市教育委員会の竹内勝さんが「竹内町のオコナイ」について発表されました。オコナイとは、西日本各地で五穀豊饒を願って年頭に行われる民間行事で、鳥取県内では境港市内で数か所行われていたのが、現在では同市竹内町のみで行われているというものです。

 鳥取県の「記録作成を講ずべき無形の民俗文化財」に選定され、平成313月に調査報告書「竹内町のオコニャ」(境市教育委員会編、米子市立図書館蔵)が刊行され、本発表はその調査概要でした。

 

 竹内町のオコナイは密教系の行事として宝暦年間(17511764)に始まったと伝わるものとされ、毎年19日に講中(15家)が講元(頭屋)に集まり、大同寺で法要が営まれます。法要では町内安全、五穀豊饒などを祈願して大般若経が転独されますが、ここに密教系の行事の片鱗が窺えます。

発表は、オコナイ行事(繩を編む様子や大鏡餅をつくる手順、法要にあらましなど)を画像や動画も用いて分りやすく紹介していただきました。

 地域に伝わる数少ない貴重な正月行事であることがよく分かる発表でした。

次の発表は、近藤滋さんの「近世因伯の盗難事件と内済取斗(ないさいとりはからい)〜享和元年米子紺屋町の盗難事件より〜」でした。

 200年前の米子地域で発生した盗難事件を『御目付日記』を丹念に解読されて解き明かされようとしたものでありました。

 『御目付日記』は、鳥取藩の国元で監察を担当する御目付が記したもので、元禄10年(1697)から明治4年(1871)まで175年にわたって、藩内の事件・事故を記録した綴700冊以上が鳥取県立博物館に所蔵されています。藩内で起った事件・事故を日を追ってみれば、それらの結末まで確認できます。

 この盗難事件は、「被害者である主人が東方(御来屋)まで盗人を追って捕まえ、大半の盗品を奪い返す」、そして「盗人が不敏で銀札を渡して追放」したことが明らかにされています。

 表題には「内済取斗(ないさいとりはからい)」とありますが、事件は藩の力によって解決されるのでなく、主人が盗人を追って捕まえるが、その後、不敏に思い銀札渡して和解する人情味あふれる一件でありました。

 近藤氏は「400年前の戦国時代は、事件が起こっても、和解して盗人盗賊を取り締まることができない無法の時代。現在は法律と警察制度によって盗難事件は100%解決される時代、200年前はその過渡期」と推論されました。町人文化が江戸を中心に全国に伝播した時代に起った人情噺でもありました。